Fuji
花というものは、人の心を豊かにし 喜びのとき、悲しみのときに添えられてきました。その花の中の藤は、いにしえより人々に親しまれ、和歌にもよく詠まれ人名や家紋にも用いられてきました。
藤は、旺盛な生命力を持ち房状にたわわに実った花が風に揺れ動く様は、波に見たてられ「藤波」とも呼ばれ、水のイメージ、風のイメージを感じさせられます。又、豊かな芳香を醸し出し平安時代を中心に高貴な色として愛されてきました。
その藤をモチーフに、透けるような白い生地に繊細な金彩を施し柔らかい色使いで写し込みました。
カジュアルな生活の中でエレガンスに使っていただきたい商品です。
Fuji・藤 製品ができるまで
まず、素焼きの生地に漠然とした藤のイメージの輪郭を描き込んでいきます。
そしてイメージが固まると、描き込んだ素焼き生地から模写を写し撮り、
本焼成時に生地が縮むことを考慮し、サイズを変換し、
白く焼きあがった生地に桐墨を用いて下書きとして写し、上絵付けをしていきます。
試作は全てハンドペインティングで行います。
繊細な金彩を施し、細かい部分に絵の具を彩色していきます。
藤の花と葉に表情を出すためにグラデーションをつける絵付けは、非常に神経を使う作業です。
描いては焼成するという作業を繰り返し、色を重ねていきます。
そのためにひとつの試作品が出来上がるまでに大変な手間と時間がかかります。
試作品が焼きあがるたびに、構図のバランス、色合い、濃度を確認し、検討します。
完成までには、十数回の試作を重ねることもあります。
試作品が完成すると、次は生産ラインにのせる為に転写紙作成に移ります。
転写紙を作るには、版下を起こさなければなりません。
版下作成も試作品同様に手間と時間を要する作業です。
そして、転写の仕上がりには手描きの試作品が忠実に再現されるように、
校正を重ね細心の配慮を致します。
金彩について
ボンボニエールの蓋をロクロに乗せて金を施しています。この回転しているロクロの中心に製品を配置する作業も、簡単そうに見えて、なかなか難しい作業です。
使用する金液は、本金にオイルを溶かした黒褐色の液体で、直接、筆にとって使います。上絵付けで金を施す作業は高度な技術を必要とします。
金液は、金油で濃度を調節しますが、濃すぎると筆の滑りもよくなく、うまく焼き付かず剥がれてしまいます。また、薄すぎると金の発色を得ることができません。濃くもなく、薄くもなく、均一に金を施さなければなりません。
熟練した職人が培ってきた経験と勘による絶妙な金油の加え具合により、きれいな金色に発色します。また、集中力の持続も求められ、作業場には緊張感が漂います。